リチウムイオンバッテリーは、主に2種類が販売されていますが現在の主流はリン酸鉄リチウムイオンバッテリー。
- 三元系リチウムイオンバッテリー 2021年までは主流。
- リン酸鉄リチウムイオンバッテリーが2022年から主流に。
進化している途中なので、安全性は今後も向上していくと考えらえます。購入時に、もっとも安全性が高いバッテリーを選びたい。
現時点での最新のリチウムイオンバッテリーについて紹介します。
リチウムイオンバッテリーの安全性
リチウムイオンバッテリーはスマホでも使われているメジャーなバッテリーです。しかし発火などで一部のスマホは、飛行機への持ち込みも問題になりました。
最近は防災用にポータブル電源も人気ですが、内部はリチウムイオンバッテリーです。しかし種類によって安全性が異なります。
三元系リチウムイオンバッテリーの特徴
- 軽量、コンパクトにできる。
- 価格が多少、お安めでしたが、最近はそれほどでもなくなっています。
- 爆発・発火のリスクが高い。
- 寿命が短い。
三元系リチウムイオンバッテリーも、大手メーカーは電子回路やセンサーを活用して安全性は高くなっていますので、取り扱いを注意すれば安全に使うことができます。
下記はYouTube『NITE official』さんの動画で、リコールされた李tリウムイオンバッテリーの爆発シーンです。水をかけても消火器でも消せない、すさまじい爆発映像です。
頼みの綱の回路が故障して、悪い条件が重なると火災のリスクが高くなります。こちらを積極的に選ぶ理由はなくなりつつあります。安全性を飛躍的に高める技術革新がなければ、数年で市場から消えていくと思われます。
リン酸鉄リチウムイオンバッテリーの特徴
- 発火のリスクがかなり低い(三元系と比べると)とはいえ取り扱いは注意。
- 理論上、寿命が3倍程度も期待できる。
- 少し高い。
- 少し重くサイズが大きい。
価格は少し高めでしたが、最近は下がってきていますし、寿命が長いのでコスパはむしろ良い。よほど(新しい種類のバッテリーが登場する場合)のことがない限り、今後はリン酸鉄リチウムイオンバッテリーが市場を独占していくと思われます。
ただし寿命は理論上の話。バッテリーが寿命を迎える前に、電子部品(基盤)が寿命になる可能性も。そのあたりは、検証した結果を製品ページで見たことがないので「本当にそんなに寿命があるのか?」は分からないのが気になります。
リン酸鉄リチウムイオンバッテリーは必須
日本の温暖化の影響で、真夏は酷暑日が急増。また春や秋でも真夏日が連日のように。昔はマックスファンで乗り切れた方々も、エアコン必須ですと言われるようになってきました。
YouTubeでも換気用のファンさえあればOKみたいに言われていた方も、今はエアコンが必要だと言われていました。もしYouTubeやWebサイトをチェックされる方は、最新情報を確認しましょう。
参考(レベリック株式会社様のサイトへ飛びます) >> 蓄電池の種類と特長 – ポータブルバッテリー:工事現場やイベント会場での電源を確保!
エアコン、冷凍冷蔵庫、FFヒーター、IHコンロ、炊飯器、電気ポットなど、キャンピングカーも家電化されているので、私の場合は最低でも300Ah(3600Wh)クラスのリン酸鉄リチウムイオンバッテリーは必須だと感じています。
リチウムイオンバッテリーは発火というより、爆発します。そのため消火器で消火するのは困難。中に数十~数百本のバッテリーが内蔵されていて、その組み合わせで大容量を実現しています。それが1本ずつ爆発していくので、実際に体験された方は恐怖を語られています。
YouTubeで『リチウムイオンバッテリー 爆発』等で検索すると、情報がでてきます。
リン酸鉄リチウムイオンバッテリーがどこまで安全なのか、私たち消費者はわからないので、メーカーの取り扱い説明書を読んで正しく使いましょう。
リチウムイオンバッテリーは怖い、使いたくないという方は鉛バッテリーをリチウムイオンバッテリーの容量の3倍程度は必要になります。例えばリチウムイオンバッテリーが300Ahであれば、その3倍の900Ahは必要になると思われます。デメリットは、膨大なスペースと重量がかなり重くなるので燃費低下、充電時間が・・・と途方もなくかかります。さらに寿命は3年程度。実用的ではなさそうです。
リチウムイオンバッテリーでも300Ahは最低限です。できれば400Ah、600Ahくらい搭載したい。ただしお値段の覚悟と、大容量になるので搭載スペースもそれなりに必要です。
リチウムイオンバッテリーの欠点
鉛バッテリーとの比較になります。
リチウムイオンバッテリーは氷点下になると、能力が著しく低下します。充電自体できなくなります。スマホやデジカメなどでも低温になると、容量の減りが早いのを感じたことがある方も多いのでは?
氷点下になると充電ができなくなったり、充電したハズなのに容量が激減します。キャンピングカーは屋外にあるので、真冬の時期にでかけようとするとリチウムイオンが使えないことも。
冷え切ったバッテリーは、車の暖房をちょっとかけたくらいでは温まりません。例えばバケツに入れた氷を温かい室内に置いても、真冬だとなかなか溶けませんし、室温まで温まりません。バッテリーは大きいので、温まるのにも時間がかかります。
高級なリン酸鉄リチウムイオンバッテリーは、氷点下になるとヒーターで温める機能がある商品もあります。寒冷地仕様のキャンピングカー等では主流になるかもしれません。
YouTube『ごっつチャンネルGT-work』さんのこちらの動画が参考になります。
バッテリー自体にある程度の容量が残っていないと作動しません。個人的にはヒーターを使う時点で、いくら安全性が高いバッテリーとはいえ発火のリスクを考えてしまいます。技術的には100%安全なのか不安です。
リチウムイオンバッテリーとディープサイクルバッテリーとの大きな違い
危険性があるリチウムイオンバッテリーですが、なぜ使われるのか?
その理由は、圧倒的な性能です。
リチウムイオンバッテリーとディープサイクルバッテリー(鉛バッテリー)の特徴をざっくり比較すると、
リチウムイオンバッテリーの方が、大きな電気を取り出せる。エアコン、電子レンジ、IHクッキングヒーターなどを余裕で動かせる。
大電流の必要な家電を使う場合、ディープサイクルバッテリーの3倍近い電気を取り出せるのがリチウムイオンバッテリー。
YouTubeのonlystyleshachuhakuさんの『リチウムイオンバッテリー VS 鉛ディープサイクルバッテリー 同じ100AHで放電量を比較】が参考になります。
この大きな差、近年、キャンピングカーでリチウムイオンバッテリーが選ばれる、大きな理由の1つだと考えられます。
まとめ:リチウムイオンバッテリーの有用性
災害時などに役立つポータブル電源などで使われるリチウムイオンバッテリー。いまなら安全性を考えると、リン酸鉄リチウムイオンを使います。
とても便利ですが、取り扱いを誤ると爆発炎上する危険があります。また商品自体に不具合があると、正しく使っていても爆発するケースも報告されています。
すでに電気自動車等でも活用されているので、正しく制御して使えば比較的、安全に使えます。
注意したいのはキャンピングカーなど、夏は高温、真冬は氷点下になるところでは、安全性がどこまでなのか、大手メーカーがやっと実用テストを始めたばかり。これから、さらに研究されて安全性が高められていくと期待できそうです。
YouTube『キャンピングカーメーカー 公式チャンネル 「VANTECH TV」』
こちらは、さらに詳しく取材された『お恋ちゃんねる』さんの動画です。
【JCCS2023】ジャパンキャンピングカーショー2023 バンテックのリチウムイオンバッテリーILiS(イリス)を徹底取材!
キャンピングカーで大手が組んで、さらに使いやすく安全性が高いリチウムイオン電池が世に出されていくのを期待しています。いまはまだ価格を下げていただくより、安全性が高い開発を望みます。