キャンピングカー(キャブコン)で発生しやすい重大トラブルの一つが、タイヤバーストです。タイヤバーストとは、走行中にタイヤが一気に破裂する現象で、パンクとは異なり前兆が少なく、制御不能に陥りやすいのが特徴です。
高速道路や下り坂、カーブで発生すると、横転事故や重大事故につながる危険性もあります。
- 荷物の積みすぎ(最大積載量オーバー)
- 空気圧不足のまま高速走行
- タイヤの劣化・寿命・外傷
キャンピングカーは最大積載量に特に注意
キャンピングカーで最も見落とされがちなのが、過積載です。
- 荷室が広く、つい積めてしまう
- 収納スペースが多く、重量感覚が麻痺しやすい
見た目には余裕があっても、実際には最大積載量ギリギリ、もしくは超えているケースは珍しくありません。
荷物は何kgまで積めるのか?
最大積載量は、車検証に記載された「車両総重量」から判断します。
正確には、車両総重量 - 車両重量 = 積載できる上限です。
正直なところ、キャンピングカーは重い荷物を大量に積める車ではありません。
調理器具、キャンプ用品、飲料水、食材だけでも、簡単に100kgを超えることがあります。
さらに重要なのが人の重さです。車検上は1人あたり55kgで計算されていますが、実際の体重を合算するとどうでしょうか。
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ライトキャブコンの積載量シミュレーション
例えば、4WDライトキャブコンで最大積載量が750kgの場合。
キャンピングカーは、サブバッテリー、冷蔵庫、エアコン、家具などの装備重量もすべて含めて、750kg以内に収める必要があります。
仮にキャンピングカー装備一式の重量が500kgだとすると、
750kg − 500kg = 250kg
残り250kgが、人と荷物の合計です。
大人4人が乗車した場合(55kg × 4人 = 220kg)、
750kg −(500kg + 220kg)= 30kg
つまり、荷物はたった30kgしか積めません。これではキャンプ道具を載せただけで、簡単に過積載になります。
そのため、各ビルダーは強度を維持しつつ、必死に軽量化を行っています。
ライトキャブコンを安全に運用するなら、1〜2人利用が現実的と言えるでしょう。
比較的余裕のある例
例えば、ミスティック「レジストロアウル」のような軽量ライトキャブコンの場合。
車両総重量が2090kg、キャンピングカー本体が1700kgだとすると、
2090kg − 1700kg = 390kg
大人4人乗車(55kg × 4人 = 220kg)の場合、
390kg − 220kg = 170kg
それでも積載できる荷物は170kg程度で、決して余裕があるわけではありません。
ここに後からサブバッテリー増設、ソーラーパネル、追加装備を載せると、荷物がほとんど積めなくなる可能性もあります。
ライトキャブコンは、収納が多く見えても実際は積載余力が少ない車です。
上部収納に重い物を積みすぎると、重心が上がり、カーブで曲がり切れず横転する危険も高まります。
重い荷物はできるだけ床付近・足元など低い位置に配置し、過積載と重心上昇の両方を避けましょう。
タイヤバーストを防ぐための予防策
タイヤの劣化や管理不足は、バーストの大きな原因になります。
- 空気圧は常に適正値を維持する(TPMSセンサーの活用がおすすめ)
- 出発前・帰宅後にタイヤのひび割れや傷を目視チェック
タイヤ交換の目安は、走行距離2万km、または2〜3年。使用状況によっては、さらに早めの交換が安心です。
特にスタッドレスタイヤは夏タイヤより材質が柔らかく、寿命が短めです。走行距離や使用年数をメモして管理しましょう。
事故が起きてからでは取り返しがつきません。命を守るための重量管理とタイヤ管理を、日常的に意識することが重要です。
まとめ|過積載を防ぐことが最大の安全対策
キャンピングカーは「積めそうに見える」構造のため、知らないうちに過積載になりやすい車です。しかし、最大積載量を超えた状態での走行は、タイヤバーストや横転事故のリスクを大きく高めます。
特にライトキャブコンは、装備重量と乗車人数を考慮すると、実際に積める荷物は想像以上に少ないのが現実です。
- 車検証で最大積載量を必ず確認する
- 人と装備の重さを含めて計算する
- 重い荷物は低い位置に配置する
- 空気圧とタイヤ状態を定期的に点検する
これらを意識するだけで、タイヤバーストや重大事故のリスクは大きく下げられます。
安全で快適なキャンピングカー旅を続けるためにも、過積載をしないことが最優先のメンテナンスだと覚えておきましょう。




