キャブコンの魅力は、ミニバンなどの乗用車と比べると圧倒的な居住空間で暮らせること。近年、災害時の避難所としても注目されています。
スペースが多くあるので、無理なく家電も充実させることができる。
電子レンジ、エアコン(冷房)、冬はFFヒーター(ファンヒーターのようなもの)、IHクッキングヒーターやカセットコンロで調理もでき換気扇もあり、トイレ、温水シャワー搭載車もあります。
ただ高額な買い物なので、失敗しないための購入ポイントを紹介します。
キャブコンの購入ポイント
キャブコンで大事なのは、いかに快適に過ごせるのかが重要です。そのためのキャンピングカーです。
そこで絶対に外せない購入ポイントをまとめました。
- 利用人数と寝床スペース(ゆったり寝られるか?
- 快適に過ごせるか?(冷暖房、断熱性、換気設備)
- マルチルーム(トイレスペース)
- バッテリーとソーラーパネル(電源の確保)
- 耐久性やメンテナンス性
キャンピングカーを購入前に、どこまで許容できるのか、自分にとって必要な装備は何かを知る参考になれば幸いです。
寝床スペース
キャンピングカーはレイアウトによって、快適な利用人数は変わります。YouTubeや公式サイト、展示会などでそのキャブコンで何人寝られるかが紹介されていますが、あれをそのまま信じていらっやる方はいないと思いますが念のため解説します。
キャンピングカーでは一人あたり幅60~70cmで計算されていますが、それでは寝返りも満足にできません。私の考えでは、車幅の狭いライトキャブコンであれば、二人でちょうど家のベッドと同じくらいのスペースが確保できると思います。もちろんお子さんが小さければ家族4人でも利用できますが、できれば2人の方が広々空間をストレスなく使えます(災害時も想定)。
二人でキャブコンで寝れば、自宅のベッドと遜色ないスペースで寝返りも余裕で寝られます。
実際に家を売ってキャブコンで暮らすご夫婦もいらっしゃいます。YouTube『VAN LIFE JAPAN リサコとダイキ』さんの【キャンピングカー】クレソンジャーニー買ってよかったポイント20選が参考になると思います。
展示会に行かれたら、寝返りできるかが1つのポイントです。営業の方の意見ではなく、自分の感覚で判断すると失敗を減らせます。
常設ベッドのある、なし
キャブコンのメリットですが、近年、バンコンに近いタイプもあるので、下記の中で車によっては異なる場合もあります。それではメリットについて紹介します。
- 常設ベッドがあると、すぐに寝られる。これはかなり楽。ただし、幅が狭く寝がえりがしづらいことも。
- ベッド展開するタイプは、何分で寝られるか。ベッド展開に時間がかかったり、複雑だったりすると、最初は良くても次第にストレスになり、失敗したと感じる方も。
常設ベッドの場合は広さが満足いくか、ベッド展開の場合は、1分以内でできるかが一つの目安。キャブコンでヘッドレストを外すタイプは、私は論外だと思っています。時間がかかる方式ですと、どんどんイライラしてストレスがたまる予感。
後悔しないように、できるだけ素早く、簡単、シンプルにベッド展開できるタイプを選びましょう。
バンコンタイプをおすすめしない理由
バンコンは立てないことや、居住空間が狭く圧迫感があるので、駐車スペースや普段使いもしなければならない事情がある場合を除きオススメしません。サイズの割に割高な場合も。安いものは断熱性が極端に劣っていたり。
バンコンタイプでは、夫婦二人でもベッド展開する必要があったりしますが、キャブコンタイプは、すぐ寝られるベッドがあったり、1m80cmくらいの横向きシートがあったりして、すぐ横になれるスペースが確保されています。
やはりキャブコンは、ゆったり寝られるのが重要ではないでしょうか?
ちなみにライトキャブコンは、全長はステップワゴンやBOXYなどとほぼ同じサイズものが多い。しかも小回りが利きます。
さらに通常の車を比べると圧倒的に室内空間が広くなっています。これは車高が高いためとエンジンがシート下にあることで、荷室部分が広がったメリットです。
快適に過ごせる装備
キャブコンの装備は、自宅と近い快適空間でないと意味がありません。それがキャンピングカーに求める装備です。
- 冷房(家庭用エアコン)
- 暖房(FFヒーター)
- 冷蔵庫50L以上(人数による)
- 電子レンジ
- 換気設備
キャブコンはエアコン搭載車が多い
キャブコンは、家庭用のエアコンを搭載できるキャンピングカーが一般的になりつつあります。まだバンコンの中にはスポットクーラーや、そもそも搭載できないタイプもあります。
徐々に家庭用のエアコンを搭載できるバンコンもありますが、そもそも車内スペースが小さく車高も低いので、エアコンに頭がぶっつかる位置に取り付けされていたりします。実際に見学にいったら、注意していたのに頭に当たってしまったり。その点、キャブコンは頭上にも余裕の空間があります。
真夏や真冬、とくに真夏日が春~秋まである近年の日本では、いまやエアコンがないと、車内でも熱中症になり大変危険。熱帯夜で寝られないと旅も楽しめませんし、疲れが蓄積していきます。
※バンコンと違い、一般的にはバンコンは断熱性は高いですが、メーカーによって性能は異なります。これはエアコンの効きにも影響してきますので、気になる方は購入予定のビルダー(メーカー)さんに質問されると良いと思います。
家庭用エアコンは100Vはバッテリーの12Vから100Vに変換するので効率が劣ると言われていますが、その変わり冷房性能は高いので結果的にはバッテリーへの負担も減ります。しかも音が静かなので、寝るときも音を気にせず寝られます。物理的に12Vのエアコンしか設置できない場合を除き、可能な限り家庭用エアコンをおすすめ。
暖房(FFヒーター)も必須
FFヒーターは、家庭用の石油ファンヒーターの車版。ただし燃料はガソリンや軽油ですが一般的。もちろん安全です。
さらに消費電力もかなり低い。エアコンの暖房と違い、電気消費がかなり低いFFヒーターがおすすめ。燃料も一晩で1~2L程度とかなり省エネ。
エアコンの暖房は、電気を大量に消費するので避けてください。RVパークなど外部電源が使用できる場合は除く。
※注 沖縄の方で、本州には行かない方は必要ないかも。
冷蔵庫や電子レンジ
キャブコンで冷蔵庫がないタイプを探すのは、難しいくらいなので大丈夫だとは思います。10~20Lくらいの小型のタイプは冷えにくいので、小さくても冷凍もできるタイプなのかチェック。
電子レンジも必須。どこか道の駅やスーパーで購入したお弁当やおつまみの温めは大事。特に寒くなってからは、温かいものが良いですから。
自宅で全く電子レンジを使わない方なら・・・何とかなるかもですが。
換気設備(ベンチレーター)
調理や空気の入れ替えに、換気扇(ベンチレーター)があると便利。大抵のキャブコンは標準で搭載されています。
猛暑でもなければ、MAXファンを回すだけでそれなりに良い風が入って涼しい。
ただし、雨の日に使えないタイプもあります。雨の日でも使えるのは、MAXファン(マックスファン)。使い勝手を考えると、少しお値段は高くなりますが、迷わずMAXファンをおすすめします。
なおマルチルームにも換気扇を取り付けておくと、あとからトイレを設置する場合に助かります。後付けよりお値打ちだと思います。
調理用の専用の換気扇が別途あれば最高。
マルチルームがありトイレも設置できる
キャンピングカーにトイレは必要です。自宅にトイレがないと快適とは言えない。
トイレがあれば、いざというとき助かります。特に夜中に体調を崩して、いざ車から降りてトイレに行こうとして・・・間に合わないなんてケースも、旅をたくさんしていくと想定内。
雪道を走る方だと、天気予報ではまさか「国道が通行止めになるほど降るなんて聞いてない!」という事態になって、身動きが取れないことも。そんなとき、トイレがないと・・・女性はとくに辛い。
またトイレスペースがあるということは、そこに臨時で荷物も置くことができます。またFFヒーターが使えれば、そこが乾燥スペースになるので便利。マルチルームというくらいですから、使い勝手は工夫次第です。あれば便利。
トイレは後付けできますので、マルチルームがあるタイプを選ぶと助かります(後付けはお値段は高くなると思いますが)。
車内で立てるメリットは意外と大きい
車内で立って移動できると快適。そもそも家なら立てますよね。
広い空間で立って着替え得られると便利。ミニバンなどで着替えるのは、なかなか時間がかかります。
また立てるということは、調理もしやすい。中腰で移動すると、私の場合はぎっくり腰になったことがあるので立てるほうが助かります。
特に広い車内空間なので、立って移動できるのは良いですよ。
YouTube『にゃん旅とバンライフ」さんは、バンコンからキャブコンに乗り換えられましたが、その理由に該当する方は、キャブコンのメリットが理解しやすいと思います。
バッテリーとソーラーパネル
キャブコンで家電を使うためには電源は必須ですが、従来は鉛バッテリーが主流でしたが、現在はリチウムイオンバッテリーが主流です。
リチウムイオンバッテリーなら、エアコンも電子レンジも不満なく使えます(エアコンと電子レンジの同時使用はできないケースが多い)。
一般的に400Ahクラスのリチウムイオンバッテリーであれば、使い方にもよりますが、調理にカセットガスコンロを使えれば、夜だけエアコンを使うなら2日は使えます。ポータブル電源を追加する手もあります。
1泊2日であれば調理とエアコンの使用もできると思います(移動しない場合)。
車で長距離を移動しながら2泊3日の旅行であれば、移動するときに走行充電できるのでバッテリーを充電できるので、使用時間をのばせます。
ソーラーパネル
キャブコンは天井スペースも大きいので、変換効率が高く丈夫な家庭用のソーラーパネルも設置できます。
バンコンの場合は薄型、シート型のソーラーパネルが一般的で、耐久性も低いと言われているので、キャブコンが有利。長く使うキャンピングカーなので、耐久性も大事になります。
いずれにしても晴天時の日中しか使えないので、無理して増やすよりバッテリー容量を増やす方が効果的です。
ソーラーパネルなしでバッテリーを600Ahにする方が、2泊3日くらいなら快適に過ごせると思います。
ソーラーパネル200~400W、バッテリー400Ahくらいがコスパは良いかもしれません。予算と相談となります。
耐久性やメンテナンス性
キャンピングカーは動く家。実は故障しやすい。
車の故障と家電や家具の故障があるからです。家が動くわけですから、振動によってあちこちガタが加速します。また車内は乗っていないときは、高温や低温に自宅よりは晒されます。まるで耐久テストをしているようです。
過酷な環境なので、すべての物が壊れやすい。またキャンピングカーの窓やドアなどの部品は外国製が一般的。残念ながら故障しやすいです。
安いキャブコンは見えないところでコストをカットしているので、耐久性は落ちる可能性があります。とはいえ高級なものでも故障はします。大手さんの車でも2年で10か所くらいは壊れるかも。
冷蔵庫が冷えなくなったり、風に強いときに窓を開けていたら、突風でアクリル窓を壊してしまったり。ドアが閉まらなくなったり、開きにくくなったり。LEDライトが点灯しなくなったり。
そういうとき修理してもらうには、販売店まで車を持っていかなくてはいけません。近くなら良いのですが、遠いと会社を休んでいかなくちゃいけなかったり、修理に時間がかかると一旦、自宅に帰ってまた行かなくちゃダメだけど、車を預けていたら公共交通機関で行くことに。
できれば近くで修理してくれるところがあればベスト。走行に問題がない前提ですが、ある程度まとめて修理に行かれるケースが多い。
故障率は、一般の車とは比べられないくらい高いと思ってください。アメリカの方だったら、できるところは自分でDIYで直しちゃうでしょうね。
キャブコンのフル装備の価格で家が建てられる?
近年、キャンピングカーのベース車にも、乗用車並みの安全機能が装備された関係で100万超えは当たり前。ハイエースベース車だと1300万円でも驚きません。さらに円安や人件費、様々な社会情勢もあり価格高騰に。
それに加えて日本の温暖化でエアコンとリチウムイオン、ソーラーパネルが必需品のようになりさらに数百万円ほど追加に。
フル装備になるとキャブコンの購入費用は総額、1300~1400万円くらいになるキャブコンは普通ですね。
5年くらい前までは800万円くらいでも購入できたと思うのですが、安全装備と快適な車中泊を求める方が増えて価格はまだまだあがりそうです。家を買うかキャンピングカーを買うかを、選択肢に挙げている方も多いかもしれません。
幸いにも走りを少し我慢すれば、ライトキャブコンのように1000万円以下でフル装備の車を購入できます。
まとめ:キャブコン購入の前に知りたい!魅力と注意ポイント完全解説
キャブコンは動くリビング。できるだけ快適装備を揃えて楽しい旅を。
長旅だけが旅行ではありません。近くの道の駅で食材を購入して楽しむのもあり。定期的に自宅の駐車場で、キャンピングカーで食事を楽しむのもありです。これは災害時の予行練習にもなります。いざというとき、心に余裕が生まれます。もちろん避難所として活用する日が来ない方が良いです。ぜひ、そういう意味では無駄になって欲しいと思います。
誰かの誕生日に、ケーキをそこで食べるのも良いかもしれません。
キャブコンの購入を検討されている方は、展示会などにいかれるときに、下記をチェックされると良いと思います。
- 利用人数と寝床スペース(ゆったり寝られるか?
- 快適に過ごせるか?(冷暖房、断熱性、換気設備)
- マルチルーム(トイレスペース)
- バッテリーとソーラーパネル(電源の確保)
- 耐久性やメンテナンス性
キャブコンには乗りたいけど、フル装備になると買えない価格帯に。そこでメーカーさんも、いろいろ知恵を絞りでてきたのがライトキャブコンのジャンル。
ベース車のランクを下げて、たとえばタウンエースを使った、ちょっと小型サイズのキャブコン(ライトキャブコン)も人気。軽キャンも同様に売れ行きを伸ばしています。
多少の装備や居住空間は犠牲になりますが、1~2人程度で使うならタウンエースでも十分に実用になります。
購入後の注意点
利用人数ですが、当初はお子さんを想定していたのに、クラブなどで出かけなくなり大きな車なのに結局2人で利用なんてことになるケースも。そのときは、乗り換えを検討された方が良いかもしれません。
ということを想定される場合は、あまりDIYされない方が高額で買い取りしてもらえます。やはり素人が手をいれると、それだけ資産価値がどんどん下がると考えてください。車外へ自分で後から貼ったステッカーなども価格を下げる要因になります。